空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

【ニュージーランド語学留学⑥】感謝を伝えきれない悔しさ

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考えたくないが帰国する日はどんどん近づいてくる。学校もあと2日、NZ滞在もあと4日、それが過ぎてしまえば日常に戻り、多分もうほとんどのみんなと会うことは無いだろうと思うととても辛い。

語学学校の週末は必ずと言っていいほど誰かが卒業しFarewell partyが開かれる。私が去る週末には、夏が終わるという季節もあってか10人以上の卒業生がいた。卒業生は前に出て一人づつ挨拶するのだが、ある卒業生の挨拶がすごく思い出される。彼は少しのスピーチの後、涙に声を詰まらせながらこう言った。

「みなさんにお礼を言いたいのだけど、上手く伝えられないのがすごく悔しい」

と。多分彼は長い間この学校にいて、2週間しか滞在しなかった私とは比較にならないくらいの思い出、学校関係者・友達への感謝の気持ちがあったのだと思う。それを上手く表現できないことは、相当悔しかっただろう。我々語学を学んでいるものは皆彼の思いを共有し理解した。

ただ今回に限っては彼の表情・涙・しぐさなどでその感謝の思いは学校関係者・友達にほとんど伝わっていたと思う。

JoeやNatageだけでなく最後の晩はみんなと沢山飲んだ。今までしゃべらなかった日本人とも日本語でしゃべった。彼らも私たちと同じように英語がしゃべれないもどかしさを常に感じているということが分かった。そして本当は英語で海外の人たちとも友達になりたがっているということも分かった。みんな思いは同じだった。

Joe、Natage、Tomomiなどまだしばらくいるみんながとても羨ましかった。またいつか会える時がくるかな。。

ついにNZを発つ時が来てしまった。Debraが車で空港まで送ってくれることになったが、Zyはプレステをしたままやめようとしない。Debraが怒ってプレステを電源から切った。大泣きするZy。私は少し寂しかった。もうすぐ別れだっていうのにまたゲームかぁ、と。でもそれは大きな勘違いだった。Zyは、別れが近づいていること、多分もうしばらく会わないこと全てを解っていた。彼の家はこれまでも学生を何人も受け入れてきて、その都度Zyは別れを経験していたのだから。

ゲームを続けたことは別れを受け入れたくないという彼のささやかな抵抗だったのだ。もちろんDebraも分かっていたのだろう。

空港までの20分ほどの間はDebraとNZでの生活の思い出を語った。Zyは後ろで黙って座っていた。空港でついに別れるという時、ZyはDebraの胸の中で泣き出してしまった。この2週間のことが思い出され、Debraも私も泣いてしまった。

別れる際、二人に伝えたい感謝の気持ちは山ほどあったのに、そのほんの一部しか伝えることが出来なかった。私もFarewell Partyの彼同様、この上ない悔しさを残してNZを去ることとなってしまった。

彼らが私を家族の一員として受け入れてくれたおかげで、私はNZでの日々を楽しく過ごすことができたのだ。そのことを必ず彼らに再開して伝えよう、強くそう思った。(終)

 

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