プライドとチーム貢献の板挟み(グループPJ①)
約1ヶ月間を費やした組織行動論(Organizational Behavior)のグループプロジェクトが終わった。American Red Cross(いわゆる赤十字:以下、ARC)のDisaster Action Teamと何度も話をさせて頂き、文化的視点から分析することで彼らのボランティア精神をベースとしたチーム文化 Equality/ Adaptability/ Openness/ Selflessnessを見出した。そしてそれを「Wikipedia」のFree Editingなどの機能に喩えることで表現し、課題を終えたのであった。
チーム構成:
マレーシア系アメリカ人Iさん、アイオワ出身アメリカ人M君、韓国人J君、純日本人の私の4人
まずは私がチームタスク遂行において、どう苦しんだか、どう貢献したかを書いてみる。
プロジェクトを、情報を収集する前半戦、情報を分析する中盤戦、分析結果をプレゼン・レポートにまとめる後半戦と分けるとするなら、前半は英語力不足から非常に苦戦したのに対し、中盤から後半にかけては、Hard workが特徴のアジアン(笑)である私と韓国のJ君とがチームの舵取りを行うようになった。
前半戦:情報収集
抜群の対人能力と行動力を合わせ持つIさんがチームを率い、ARCとの折衝やインタビュー時の司会進行、チーム内ミーティングの設定などを自主的にガンガンやる。チームとしてARCのメンバー10人それぞれに対し約1時間のインタビューを行ったため、合計で10時間のインタビュー。アメリカンが中心に質疑をし、私と韓国のJ君はその間分からないことだらけ。自身のパートの時だけは、私とIntervieweeとの会話になるため、分からないところは質問することができたが。結局この段階では、残念ながら自身のパート以外は十分には理解することができなかった。
帰りの車ではいつもJ君と一緒だったのだが、毎回二人で嘆き、ため息が止まらなかったのを覚えている。 ある時Iさんが、難しそうな顔をしていたJ君に気を使って「Q&Aを全てテキストに起こそうか?」と言ったのだが、J君は拒んだのだった。
車の中では彼は私に言った。「俺にだってプライドがある」「こんなに悔しい思いをしたことは人生で一度も無い」と。私も気持ちは同じだった。Iさんのコメントが良いとか悪いとかではなく、ただ自分が状況を理解するだけのために、チームに余計な工数をかけることは絶対に避けたいのであった。ただ、状況を理解しないとチームへの貢献も難しいことも分かっており、非常に辛いプライドとチーム貢献の板ばさみ状態だった。
たぶんJ君も私も、それぞれの自国では、個人として明らかにチームの足を引っ張るようなことはほとんど経験しなかったのではないだろうか。ここではそれが目の前にあった。ただ「チームに貢献する」ということがとても難しかった。
(以下に続く)