空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

能力重視のレイオフ?(グループPJ③)

このプロジェクトで学んだことを書いてみる。

アジア人同士で議論をしていたIF Program (Pre MBA)の時とは異なり、初めてアメリカ人と一つの課題に真剣に取り組んだこのプロジェクト。言語の違いもそうだが、文化や考え方の違いに更に苦しみ、そしてそれを学んだ一ヶ月間であった気がする。

我々のチームにおいて、アメリカ人とアジア人とで大きく議論が分かれたところは、実はプロジェクト課題そのものではなく、チームへの貢献はどうあるべきかコミットメントの低いメンバにどう対処すべきか、であった。基本的にチームメンバーそれぞれはその成果物に対して同じgradeがつけられるのだが、残念ながら我がチームには明らかに貢献度が低いと見られるアメリカ人M君がいた。そのM君への対処について、かなりの時間をかけて議論を交わした。

M君の行動は必ずしも責められるものでは無かったが、チームへのコミットメントが低いようには皆感じていた。他の授業やミーティングと重なったために、チームミーティングを何度か欠席し、ARCの重要なイベントも欠席した。また、プレゼン直前のThanksgiving休暇にアイオワの実家に1週間ほど戻ったりした。各人担当のまとめ作業を完成度の低いもので済ましたりもした。 もう一人のアメリカ人であるIさんの主張は、  

  • 「チームへの貢献はEvenであるべきだ」  
  • 「彼を首にすべきだ(Kick off him/Fire him)」  
  • 「教授に告げ、彼のグレードを我々の半分にしてもらうべきだ」

であり、ベースとして、「彼本人からは変わる努力が感じられない」という彼女の判断があった。 我々アジアンの主張は、  

  • 「チームメイトである以上、彼に如何に貢献させるか、チャンスをどう与えれるかを考えよう」  
  • 「彼を首にすることは、我々のチームワーク力が無いと教授に言っていることと同じだ」

であり、教授に告げようとする彼女を止めるのに必死だった。 更に、 Iさん:「やる気・変わる気の無いものに期待するとチームとしてのアウトプットが保障できない」 我々:「彼に出来ることを探そう」 というようなやりとりを延々続け、時にはIさんと私でこの件だけについて1時間以上も電話で議論したのを覚えている。結局Iさんは、我々のことをToo kind(やさしすぎる)、彼のことをラッキーだと言いつつも、彼にチャンスを幾つか与えることに賛成してくれた。

最終的に、この議論はお互いにとってとても良い経験になったと言い合うことができた。説明が難しいが、各人のチームワークスタイル、特にコミットメントが低い者への対処の考え方を理解し合えたように思う。 Iさんは、(厳しく言えば)アウトプットを最大化するために、即、使えないものを切り捨てよう、という主張であったのに対し、私とJ君は、彼との長期的な関係や彼自身の成長も考慮し、チャンスを幾つか与え期待しよう、というものであった。それでも応えてくれない場合は「今後我々が彼をそのような目で見ること」が罰になるのだ、と主張した。(遠回りで少しいやらしいけど、日本においては大概事実だと思う)

確かに私は昔から甘い、と言うか人に強く言うことを得意としない(涙)。厳しい事業環境においては、多分このことは命取りになる。Iさんが言うように、人物を吟味し判断した結果に応じて、ギアを変える必要がある、と今回感じた。 "バブル崩壊"にもかかわらず、アメリカ経済が深刻な景気後退に陥らなかった理由の1つとされている「能力重視のレイオフ」の考え方を、スモールサイズながら身近なこととして議論できたのは本当に大きな収穫だった。

#クレアモントはクリスマス近くになるとこんな家でいっぱいになります。

#First st & Harvard にあるイタリアンレストラン。クリスマスイブの晩に店を開いているのはこういった洒落たレストランくらいでした。(写真捜索中)

(以下に続く)

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