空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

【書評】ゲーム理論で勝つ経営 / 付加価値に応じた報酬

友達の言葉を借りるならTwitchした(ピクんときた)こと、それは「付加価値に応じた報酬を得なさい」という考え。自身がある行動をとる時、誰が得をし誰が損をするのかを考え、得をする人からその一部を報酬として受け取りなさいということ。当たり前に聞こえるが皆さんは出来ている❓「ゲーム理論で勝つ経営 ~競争と協調のコーペティション戦略~」に出てきた話なのだが、以下の例が面白い(著者はNY大学MBA教授ブランデンバーガーとイエール大学MBA教授ネイルバフ)

少し長いけど興味ある方はどうぞ。

  • A社は、甘味料に関する特許を米国で保持し、米国市場を独占していた。甘味料メーカー最大の顧客はソフトドリンク業界であり、A社は甘味料をコカコーラとペプシコの業界2強に独占的に供給していた。モノポリーであるため当然高い価格で供給できていた。 しかし特許が切れる1985年に向け、欧州のB社がこの米国甘味料市場に参入を考えていた。コカコーラとペプシコB社の参入に歓迎の意を表明したため(供給側に競争が起きると価格が下がるから)、B社は喜び勇んで参入を表明した。
  • 結果はどうなったか。 B社が参入を表明したすぐ後、コカコーラとペプシコ両社は既存A社と低価格で長期契約を結んだのだった。そもそも両社は新規B社と契約をすることは考えていなかった。A社のブランド価値や、規模の経済や学習曲線から来る低価格面を考えるとB社を採用する理由は無かった。また、例えば仮にペプシコが一部でもB社製甘味料を使用したとすると、コカコーラは「うちは全製品にA社甘味料を使用している」と宣伝することも予想された。 残念ながら、B社はコカコーラとペプシコの両社に上手く使われてしまったわけだ。結局B社は参入をあきらめた。

ここから学べることは以下だという。

  • あるゲームに参加する前に、自身がそのゲームに参加することでゲーム自体がどう変わるかを考えなければならない。誰が得をし、誰が損をするのか。それがそのゲームにおける自身の付加価値であり、参加するにあたっては相応の報酬を得なければならない。

上記の例で言うと、「B社の参入」は、コカコーラとペプシコ両社にとって、独占企業であった既存A社からの仕入れ値を下げるという意味でものすごい付加価値があった。実際両社合わせて年間2億ドルほど削減できたらしい。 B社はその2億ドルの付加価値をタダで両社に提供してしまったわけだ。あぁ😭。 B社は参入を表明する前に、少なくとも両社と一定の取引を契約するか、彼らに何らかの投資費用の一部を肩代わりしてもらうよう要求し、2億ドルの一部を報酬として得るべきだった、と、この本には書かれている。

自身の発言や行動が、周囲にどう捉えられ、どう影響を及ぼすか。 たぶん誰もがこのことは無意識に考え行動しているとは思う。 しかしこの本は、その行動が持つ付加価値に相応する報酬を得なさいとも言っているのだ。

いやー、正直全くこういう考えは頭になかった。得たものは大きいが、かなり性格悪くなること間違いなし。フフフ😃

#写真は9月末に行ってきたカタリナ島。のんびり出来ました~(写真捜索中・・・)