【書評】決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール
アカウンティングの復習がてら、(私にとっての)勝間和代本4冊目「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」を読んだ。多くの企業は業績が思わしくなくなると(粉飾決済ではなく)合法上の会計操作を行い見かけの利益を増やすことに努力してしまうわけだが、彼女はそこを解きほぐし、ではどういう企業が、なぜ会計操作をするのか、その彼らのテクニックとはいかなるものかを事細かに説明しながら、企業の「利益の質」を見抜く術を与えてくれる。
これまで決算短信や有価証券報告書を見る際は、私なりにいろいろな財務レシオを計算し、関係しそうな脚注などを順番に眺め、この企業はここがいけないんじゃないだろうか、などと言っていた訳だが、勝間さんの教えてくれるチェックポイントに従える今は、少なくとも(個人株式投資なり企業M&Aなり)投資を行う際には、分厚い財務諸表もメリハリつけて読むことができ、彼女の言う「利益の質」の良し悪しを(ざっくりとだが)理解できるのでは、とも思う(ほんと?)。彼女がこれまで経験してきた会計士と証券アナリスト両方の視点を共有してくれるなんて、本当にありがたい話だなぁと思う。 参考として、彼女の決算短信の表紙のチェックポイントはこんな感じ。
P118
- 会計処理方法の変更は無いか
- 営業キャッシュフローはコンスタントに伸びているか
- 投資キャッシュフローは営業キャッシュフローの範囲内か
- 営業キャッシュフローは営業利益の60~120%に収まっているか
- ROAは伸びているか
- 売上高、営業利益、経常収益はバランスよく伸びているか
- 営業利益と営業キャッシュフローの伸びのバランスは適当か
- 来期の業績予想は合理的な数字か