空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

持続的競争優位を作り上げる経営資源

 持続的競争優位を作り上げることが、勝つ組織を作るための絶対条件ではあるのだが、自社が戦う産業において果たしてどの経営資源が競争優位を作り上げる可能性があるのか(もしくはこれまで作り上げてきたのか)を正確に見極めることは非常に難しい。

今週聴講した戦略クラスでは、GMゼネラルモーターズ)の子会社Saturn(サターン)が如何に競争優位を生み出し、小型車で優位に立っていた日本企業と戦ってきたかを扱ったのだが、得たことを少しメモしておこうと思う。

(前学期も学んだが)持続的競争優位を作り上げる経営資源を見つける一つの解法として、バリューチェーン分析がある。産業バリューチェーンを細かに分解し、顧客視点から各ステージを見ていくことで、どのステージなら自社の経営資源を用いて他社と差異化もしくはローコストを生み出し、顧客に価値を生むことができるかを検討できる。(ここでの経営資源は、かなり具体的に特定する必要がある) ちなみにサターンでは、販売段階でのカスタマーサービスにフォーカスし競合と差異化し、成功した。 その経営資源候補が本当に持続的競争優位を作り上げる価値を持つかどうかは、いくつものテストをクリアする必要がある。今週のアーティクルによると顧客価値を生むことができるかなど直感的に理解できるテスト以外で、以下の5つのポイントが重要且つ誤解しやすい点とのことで、ここで記載しておこう。  

  1. 他社が模倣できないか 
    その経営資源が以下の利点を有することで、他社に模倣されるのを長引かせることができる    
    ・物理的ユニーク性:好立地や特許などを保有しているか
    ・累積価値:その経営資源を有するのに時間・労力を要するかどうか
    ・不透明性:何が本質で、どうすれば模倣できるのかが他社に理解できないほうがよい    
    ・経済的抑止力:その経営資源を有するのに大きな資本投下が必要かどうか  
  2. その経営資源は長く続くか 
    ブランド価値などは一旦形成されると長く継続するものだが、例えば技術ノウハウなどの価値は早急に価値を失っていく  
  3. 企業自体がその経営資源をを保有しているか 
    経営資源が従業員個人に属する場合(人的ネットワークなど)は、企業が保有し続けることは難しい
  4. 代替される可能性はないか 
    全く異なる資源によって、同じ価値を生み出される可能性がないかどうか
  5. 競争上優位な点はあるか 
    顧客やパートナーなどの外部の視点で優位性を作れるかを分析する必要がある

クラスではここまでやらなかったが、予習段階での私のサターンに対する評価は、3と4が△であとは合格。3に関しては、カスタマーサービスはディーラーの力も合わさってのものなので△、4に関しては、インターネットなどが進化してきた際にどうなるか不明であったため△、というざっくり具合だけど。 これらのテストを経て、その経営資源持続的競争優位を確立できると確信を持てたなら、次なるステップはこの経営資源への投資、改善、そしてレバレッジをきかせるというわけだ。レバレッジの例としてはコアコンピタンスOEM提供などがあるが、長くなるのでまたの機会に。

さて、こう書いてはきたが、実際に帰国後自社を考えるとき、これなら勝てる!と確信を持てる経営資源が何も見つからない状況も起こりえそうで怖い。いや、既存顧客がうちのサービスを選んで買ってくれている限り、きっとその理由を上記や前学期学んだ手法で分析すれば道は開けるのだろう。 しかしまぁ聴講とはいえ戦略論は非常に関心が高いのである程度の予習をして挑んでいるのだが、、、クラス後半からケース(B)が配布され、数分で読み、グループディスカッションをしなさい、という展開。誰よりも読むのが遅い私は時間内に読みきれず、前提があいまいなままディスカッションに突入。ほとんど貢献できませんでしたとさ・・・😞  ヂグジョー👊