空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

失恋

ここ2ヶ月ほど、日本で事業展開するある米国のベンチャー企業(LLC)にご執心でした。Web2.0を絵に描いたようなビジネスモデル、グローバルな事業戦略、そして強気なアメリカ人のCEO(日本語ぺらぺら)に惚れ、この会社を追いかけてきたのですが、つい先日、うちの会社の投資会議にかけ、敗れてしまいました(正確には、私自身も会議中にあきらめてしまいました)。

 

理由は大きく3つあって、

1つ目は、会社の株主価値が高すぎてそれを正当化できなかったことです。売り上げがゼロなのになんと株主価値は50億円超(会員は数十万人いるんですけどね)。一般的に米国企業は日本と比して高いのですが、それにしても倍以上高すぎました。一度過去にビジネスを失敗しているのですが、減資などは行わずストックオプションなどはそのままだったりするのがその理由だったりします。

2つ目は、明確な資本政策を持たなかったためです。リードインベスターをとらないCEOの方針、IPOではなくバイアウト狙い、というところから、投資会議ではリターンが判断できないとなってしまいました。

3つ目は、会社全体の過去の財務状況が明確にならなかったためです。このCEO、デリバティブトレーダー、証券会社CEOを歴任してきたにも関わらず、数字に無頓着な性格。米国本社、ハワイ、日本、ケイマンという各子会社間のお金の流れがわかる資料が最後まで出てきませんでした。

 

と、この状況で投資するということは現実的ではないとわかってはいましたが、それを差し引いてもこの事業の魅力には勝てず、投資したいと投資会議までこぎつけました。が、、、(予想通り?)敗退。こういう魅力のある会社と資本関係を持てないのかぁ、事業系VCってなんなんだっけと少し悩み始めました。

 

いずれにせよショックは大きく、この会社に匹敵する爆発力を持つ会社はそう簡単には現れないでしょうし、ベンチャー投資に関してはしばしこの失恋状態からは抜けきれなさそうです。

 

一方、M&Aのほうは、交渉などで厳しい場面も経験してきましたが、なんとか無事に今月末クロージング予定。今はPMI(Post Merger Integration)の設計・推進などでどたばたと忙しく過ごしております。

 

#写真はベラージオの噴水ショー。今日テレビで偶然見て懐かしく思い、貼ってみました。(写真捜索中・・・)