空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

【書評】ルポ 貧困大国アメリカ / 米史最低の支持率で幕を閉じるブッシュ政権②

米史最低の支持率で幕を閉じるブッシュ政権① から続く)

例えば「いのち❤️」に関わる業務の民営化です。民間の医療保険会社が力をつけた結果、一度の病気で中流階級の人が貧困層に転落する社会となってしまいました。2007年度は健康保険無加入者4300万人で、交通事故などで重傷を負っても金を払える見込みが無いため「救急車を呼ばないでくれ」と本人に懇願されるそうです。また貧困層にとっては日帰り出産は当たり前で、乳児死亡率も0.63%で先進国で最大となっています。

病院側は病院側で保険会社に自分の病院をカバーしてもらおうと、入院日数や薬の種類・数など保険会社が利益最大化を目的として決めた数字に従わざるを得ず、患者ごとに対応することなどできないのが現状だそうです。 また、連邦緊急事態管理庁FEMA)が実質民営化された結果、ハリケーンカトリーナの被害が拡大したといわれています。

P43 (FEMAの)主要任務は、いかに災害の被害を縮小し多くの人命を救うかということから、いかに災害対策業務をライバル業者よりも安く行うことができるかを証明することに代わったのです。

P45 FEMAはハリケーン上陸を予測していながら、堤防を強化するための災害緩和資金をルイジアナ州に与えませんでした。(中略)そして気象学者らの予想通りハリケーンは上陸し、町の80%は水の底に沈んだのです。

米史最低の支持率で幕を閉じるブッシュ政権③ へ続く

skygo.hatenablog.com

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
岩波書店
堤 未果

ユーザレビュー:
読むべき!ずっと気に ...
現代世界の問題を知る ...
プレカリアート」の ...
amazon.co.jpで買う