空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

【書評】その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める」を読んだのですが、めちゃくちゃ面白かったです。やはり僕は根っからの理系で、データ主導で物事を考えるのが好きなんだなあと再認識もさせてもらいました。 本書のテーマは、専門家vs絶対計算人間の勘や経験に頼る意思決定 vs 大量データ解析による意思決定。ワイン業界や医療、教育、司法、映画など様々な分野で勘や経験を頼りに幅を利かせてきた専門家が、大量データ解析の台頭を前にして、立場を危うくしている事例がわんさわんさ。専門家たちもだまってその地位を譲り渡すわけも無く、彼らの抵抗も浅ましいけど面白い。

<絶対計算で覚えておくべき2つの概念>

回帰分析&ニューラルネットワーク 過去のデータから成功要因を絞り出すツール。予測(回帰線)を出すだけでなく、その予測がどのくらい正確なのか(信頼性水準)まで教えてくれる。推計重み付けパラメータの変数は多すぎると「過剰フィッティング」と呼ばれる落とし穴に陥り、予測精度が落ちることにつながる。

無作為抽出: 過去のデータがない場合に、大量データをつくりだし仮説検証を行うツール。サンプル数さえ大きければ、ある母集団から無作為に抽出したグループAは、同様に無作為に抽出したグループBと統計的にまったく同じだと想定できる。そしてグループAB間で異なる「施策」を遂行するように介入すれば、純粋にこの介入だけの効果を測定できる。

<参考>

P169:人間に残されている出番は「仮説立案」。頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきでないか推測すること

P174:専門家と絶対計算のどちらが優秀かを比べると、ほぼ例外なく絶対計算が勝つ。理由:人間は大量の条件に上手く重み付けができない。感情や先入観に左右されがち。

その数学が戦略を決める
文藝春秋
イアン・エアーズ

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