【書評】異端のすすめ - 強みを武器にする生き方 - 橋下徹
橋下徹・元大阪府知事は僕の高校の先輩にあたります。彼の存在を知ったのは「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演してからですが、大阪府知事就任以降の彼の活躍は、常に僕に刺激とプレッシャーを与えてくれるものとなりました。自分も彼のように日本や世界を変える影響力を持てるよう、もっと努力せねばと。
目次
- 購入のきっかけ:高校の先輩の活躍を支える思考法を理解したい
- 強みの掛け算で「自分にしかない価値」を手にする
- 迷ったら「大胆なほうへ」前進せよ
- 自分の中に「持論工場」を持て
- 最後に:その時々で完全燃焼し、納得できる人生を送る
購入のきっかけ:高校の先輩の活躍を支える思考法を理解したい
今回「異端のすすめ 強みを武器にする生き方」を手にしたのは、高校の先輩でもある橋下さんの活躍の背景にある思考法を深く理解して、少しでも追いつきたいと思ったためです。
結論から言うと、僕の持論工場における生産管理・品質管理を向上させる必要があります。行動してチャンスを掴むという大枠の生き方は近くても、常に持論を組み立て磨き続けていく意識でいないと、チャンスを掴んでも得られるものや成果が最大化されない。ここに大きな差があると思い、改めて精進していかねばと思った次第です。
さて、気を取り直して。前回 「【書評】ハック思考」でもご紹介しましたが、僕はAmazon Audibleの会員(月額1500円)で、ランニング中にいつも読書をしています。月に1冊オーディオブックを購入できることに加えて、News Picksアカデミアという著名人のインタビューやセミナーが聴き放題の会員特典もあり、とても重宝しています。
ちなみに本を読み切ったとしても返品可能な仕組みになっています。一度ある本を7割くらい聴いたところで、頑張って聴き終わろうとしている自分に気づき返品しましたが何のお咎めもありませんでした。
毎月コインが届き、Audibleのページに誘導されるのですが、そこにはAmazonやKindleでの購入履歴に基づいた「あなたへのおすすめ」が紹介されています。そこで橋下さんの著書が目に入り、上記の理由からその場で購入を決めました。
Audibleはどの本もゆっくり朗読してくれるため、初回は1.3倍速で聴き、2回目は2倍速超で聴き復習するというパターンです。「異端のすすめ」は4時間半の朗読でしたので、ランニング2回で初回を聴き終え、3回目のランニングで復習することになりました。
Audibleを始めてから、ランニングというよりは読書をしている感覚なので、タイミングが悪いとわざと遠回りしてしまって走る時間と距離がどんどん伸びていきます・・・。 お陰で太れません。
強みの掛け算で「自分にしかない価値」を手にする
いろんな方が言っていますが、橋下さんも強みの掛け算で自分にしかない価値を手にしろと説きます。彼自身は、弁護士、タレント、知事、市長、国政政党代表の5つを掛け合わせることで突き抜けることができたと言います。
- しかし僕は、自分が特別だとは考えていないし、皆さんにそう考えてほしくもありません。僕もいくら努力しようとも天才弁護士には敵わないし、一流タレントになれる訳でもない。政治家として、巨大な与党自民党の中で権力闘争に勝ち抜き、大臣や総理大臣になれるような能力もありません。ただ、五つの強みを掛け合わせることで、そこそこ突き抜けることができました。
橋下さんの強み一つ一つが既に半端ないというのはさておき、考え方としては非常によくわかります。僕の場合で言うなら、
という掛け合わせでしょうか。
例えば、投資・ファイナンスという観点では証券会社や監査法人出身の人には敵いませんが、僕は現場での事業開発を山ほど経験してきているので、投資起案者の想いや思考、投資計画への血の通わせ方などを理解したうえで投資プロジェクトを推進・管理することができます。これに幾ばくかの海外経験が掛け合わされて、当時のリクルートに「海外投資案件において上手く事業サイドに伴走してくれそう」と採用されたのだと思います。
その後、東京とミュンヘンでの業務で、グローバル視点を強化するとともに経営目線も獲得してきた、と考えるともっといろんなところで戦えるかもしれないですね。もちろん個々のスキルにおいて磨く余地は幾らでもあるのですが、掛け合わせることで生まれる価値こそが希少で最重要だと思うので、今後もその掛け合わせの接点にフォーカスして自身の価値を高めるよう努めていきたいと思います。
ちなみに橋下さん自身は今でも自分を定義せずいろんなことに挑戦して強みを増やす努力をしているそうです。僕も日々目の前を通っていく様々な機会を掴み、もっと幅を広げていきたいと考えています。
迷ったら「大胆なほうへ」前進せよ
橋下さんは「チャンスを掴む力をつけるには行動しかない。人生の選択で迷ったときには、選択肢の中で一番大胆な道を選ぶべき」と説きます。
僕もそうですが、これは意外に実践している人が多いかもしれません。
- 前進か現状維持なら、前進
- 今までやったことのない道かやったことがある道なら、やったことのない道
- 楽な道かしんどい道なら、しんどい道
橋下さんが「ラジオ生放送への急な出演依頼を不安ながらも受けたことからタレントへの道が開かれ、府知事という人に非難され収入も減る道を選んだことで今がある」と語っているだけに、上の言葉には説得力がありますよね。
僕の場合は、海外MBA、リクルート転職、と節目節目で一番しんどい道を選んできた気がします。前職の多くの人からは、リクルートで投資なんて担当したら死ぬぞ、とよく脅されましたから…
何歳になっても、迷ったら大胆な道、苦労する道、を選び続けたいものです。
自分の中に「持論工場」を持て
橋下さんの一番の魅力は、誰と何の議論をしていても軽快に持論を展開していくところではないでしょうか。相手を言いくるめて議論に勝つというよりは、誰に何を言われても論破されない鉄壁の守りがあるような印象です。
彼自身もこの強みは自認していて「自分の意見を持てば、ゆらがない」と言い切っています。これは自身の「持論工場」で20年間培ってきた賜物らしく、この工場では毎日以下を繰り返しているそうです。
- 日頃から様々なことに対して必ず自分の意見を持つ
- わからない部分がある場合は勉強して理解を深める
- 意見をアウトプットして、他者の反応をみたり、他者とぶつかったりして意見を磨いていく
特に最後の箇所は、受容性が強みの一つでもあり、他者と意見を戦わせるのが好きでない僕にとっては、意識して自身の持論工場に組み込まないといけない工程と言えそうです。
最後に:その時々で完全燃焼し、納得できる人生を送る
彼はメディアなどで人生論を語るとき「完全燃焼」という言葉をよく使いますが、本書でも以下のように語っています。
- 納得感は、お金持ちになったかどうか、成功したかどうか、結果を出したかどうか、目標を達したかどうか、ではなく、自分のエネルギーを出し切って完全燃焼したかどうかで決まります。
- 自分が納得できる人生、完全燃焼できる人生をぜひ自分の手で切り開いていって欲しいと思います。
最後の章でも、行動とチャレンジの必要性を再確認して本書を締めています(一部抜粋)。
- 今この時を一生懸命に生きる姿勢の積み重ねこそが、未来を決していくのです。運が巡ってくるかは神様ではなく自分の生き様が決めるものです。
- その時々で常にチャレンジし、全力を尽くし、ひたすら前進してきたという自負はあります。だからチャンスが向こうからやってきてくれたし、その瞬間にチャンスを掴み取ることができたと思っています。
- 僕をここまで運んできたのは、明確かつ具体的な人生設計ではなく、常にチャレンジしチャンスを掴み取ってきた行動力だったと思います。
- これからの日本を担っていく皆さんも、行動とチャレンジあるのみで、まだ見ぬ世界をどんどん体験して言ってください。道中には大変なことも山ほどあるかもしれませんが、その都度自分にとって最良と思える選択肢を選んで精一杯やってみてください。
今回改めて橋下さんの人生論を聴くことで、少しの勇気と改善方針の示唆を頂きました。
これからも大先輩の背中を追いかけながら、納得のいく人生を送れるよう日々の出会いに向き合い、掴んだチャンスにおいて完全燃焼できるよう頑張って行こうと思います〜