空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

ドイツから日本の入学式にオンライン参加 / 私立高校って新鮮

妻と長女がドイツから日本に本帰国して、はや1ヶ月が経ちました。この期間でもっとも印象的だったのは長女の高校の入学式でしょうか。コロナ禍での帰国だっただけに、新しい制服は滞在先ホテルできちんと受け取れるのか、6日間で3回のPCRテスト(①帰国72時間前 ②羽田到着時 ③政府指定ホテル3日間隔離後)でエラーなく2人とも全て陰性が出るのか、など心配でしたが、無事クリアして長女は他の新入生と一緒に同じ制服を着て入学式を迎えることができました。本当によかった・・・😌

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ミュンヘンはいま桜が満開です🌸)

 

入学式は保護者1名のみ現地参加可能

高校から連絡があり「入学式に参加できる保護者は1名のみ」とのことで、もう1名の保護者にはオンライン視聴の機会が与えられました。もしかしたら日本に住む保護者からすると「一人しか出れないの、そりゃないよー」って感じだったかもしれませんが、元々妻のみの参加を予定したいた我が家は「オンラインあるの?ドイツから視聴できる〜🙌」とまさかの嬉しい状況でした。

しかし新入生500人、保護者500人で講堂がほぼびっしり埋まったのにはかなり驚かされました。コロナ発生後こんなスゴイ密を見たのは初めてです。式が終わって「日本ってこんな感じなの?ドイツでは考えられないね・・・」と、妻と会話したのを覚えています。

 

さて、長女が通うのは東京の私立高校なのですが、小中高全て公立育ちの妻や僕には色んなことが新鮮に感じられます。少し記載しておこうと思います。

*当初は公立高校進学を考えていましたが、コロナへの対応状況やキャリア・進路指導力、本人の希望などを鑑みて、最終的には長女を私立高校に専願で送り出しました。

 

クオリティの高い入学式 YouTube配信

まず入学式のオンライン配信の質がとても高かったです。

複数台のカメラが設置され、入場時や氏名点呼時には各人が映るように、そして国家や校歌が流れる際には一体感を醸し出すように、適切なカメラワーク・画面切り替えがなされる。学校紹介から始まるYouTubeでの配信は最後までスムーズな流れでした。

昨年の学校案内時・コロナ対応時からICT/オンライン対応が進んでいる学校だなぁと感じていましたが、これならオンライン・スマホネイティブの長女もwith/after コロナ時代でも安心して学ぶことができると改めて感じました。

BYOD: Bring Your Own Device ということで、授業で使うという持ち込み用 iPadも長女に新調させられましたし💸 、もうそういう時代ですよね。

 

「主体的に自由を使いこなせ」by 校長先生

次に入学式での校長先生の話が私立ならではと感じました。内容もとても良かったので書き出しておきます。

校長先生から新入生へのお願いは以下3つ(一部略)。

  1. 学内の成績でくよくよしない
    君らは中学校では比較的優等生の部類だったと思います。ここにはそういう人たちが集まって更に難しいレベルの学習をするわけですから、中学の頃より厳しい競争になりますよね。そうすると結果として学内で下位の人が出てきますが、必要以上に深刻に考えないでください。それで元気が無くなったり学校行きたくなくなったりすると本末転倒だと思います。どんなに優秀な集団でも順位をつけたらトップもビリも必ずでます。それは当たり前ですよね。ですので、例えビリだったとしても堂々と学校に来ましょう。学校は勉強をするだけの場所ではありません。日々の学校生活を楽しんでください。
  2. 最低限のことはきちんとやる
    先ほどの学習面でいえば、怠けていいと言っているわけではなくて、どの教科においても赤点を取らない程度の勉強はやってください。心のエネルギーがあれば誰でもできます。校則などの最低限のルールは守って欲しいですし、行事などには積極的に参加してください。
    ここまでの2つを行えば、基本的に学校生活を楽しむことができます。しかし充実度を上乗せするのに最後のお願いをさせてください。
  3. 主体的に自由を使いこなせ
    それは「主体的に自由を使いこなせ」ということです。本校は私立としては比較的自由な方だと思います。スマホはもちろん持ち込み・使用可で、休み時間にはタブレットでゲームをしたり音楽を聞いたりしている人もいます。食べる時間や場所も自由です。ただ、自由は人に差をつけるものです。自由を生かすか生かさないかはその人次第何よりやりたいことがきちんとあることが大切です。それを生かすかどうかで学校生活をより充実させることができます。ぜひ色々なやりたいことを見つけて行動してみてください。様々な行事には積極的には参加して欲しいですし、部活も興味を持って欲しいです。生徒会で学校を変えていく提案をするのも自由です。極端な話、君たちは学校をやめるのだって自由です。そのように軽く考えていた方が、いるからには充実させようという気持ちになれると思います。心はいつでも自由に、やりたいことを探しながら日々を過ごしましょう。

 とても良いお話で、新入生も背筋が伸び、やる気が出たのではないでしょうか。

 

入学後の勉強が大変そう

そして早速勉強が大変そうです📚

もし長女が公立高校に入ったら高校2年生の夏頃までは遊び呆けてしまって受験で苦労しそうだなと、親も本人も思っていました。その点、本校は私立高校ということもあり、(期待通り?)毎週幾つかの科目で小テストがあり、気を抜かないようにせっついてくれます。

ただ最初からペースが速く慣れるまでに時間がかかりそうです。受験合格発表後にすぐ春休みの宿題が出され、入学直後にその確認テストがあり、すぐに毎週の小テストが始まる。私立高校はどこもこんな感じなんですかねー👀

そういうこともあり、毎週数回長女から LINEで数学の問題が飛んできます。昨年の受験時も数学と英語はよく聞かれたのですが、基本的には本人に考えさせるためヒントしか出しませんでした。でも今は本人が若干疲れ気味のため、睡眠時間を確保してもらうべく、丁寧に紙に全問解答・解説を書いて写真で送り返しちゃってますね💦

 

お疲れ気味の長女 / バド部へ

コロナで本人の体力が落ちていることに加え、帰国後のホテル暮らしが約1ヶ月と長かったり(ちょうど今日までホテルから通学)、新しい学校で精神的にも気を張ったり、勉強も大変、となるとそれは誰でも疲れると思います。勉強が大変なので部活に入るのはやめようかな、とも呟いたほどらしいです。

もともと社交的で明るい性格なので、今までの分を取り戻すかのようにすぐに沢山の友達が出来て「毎日すごく楽しい!」と通っているそうなので基本的には良いスタートを切ったようなのですが、体調だけはしっかり見守ってあげないとなと思っています。部活も最終的にはバドミントン部🏸に入ったそうなので、元バド部の妻も僕も一安心。徐々に体力を戻していってくれるといいな・・・

 

日本もコロナ感染者数が増えているようですが、学校が閉じずに彼女の楽しい学校生活が続くよう心から祈っています🍀🤞

 

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ミュンヘンは4月中旬になっても雪が降る朝がありました・・・)

ドイツ コロナPCR検査/ 家族の本帰国/ 久しぶりの大泣き

妻と長女が本帰国しました。3年間、僕のわがままに付き合ってくれたことに感謝しかありません。

妻は米国に続き2回目の海外赴任帯同でしたが、国も違えば言葉も文化も違う。英語も得意な訳ではないため日々の生活には相当苦労とストレスをかけたと思います。食材一つ買うにしても、全てドイツ語表記のため、事前に日本人駐在員の方のブログなどで調べたり、売り場ではGoogle翻訳を使って読み解いたりしながら、家族の口に合うものを探し、毎日食事を用意してくれました。おかげですぐに日本と変わらない味付けの食事をとることができましたし、人間ドックでの数値が安定していて毎年日本人医師に食生活を褒められることとなりました。当初、妻は、次女をインターに入れると母親として対応が不十分になってしまうとあまり前向きではありませんでした。そこでインター関係は全て僕が面倒を見ると約束してインターに入れることにしたのですが、結局お母さん同士の付き合いでもある日本人会やそこから派生する学校側とのやりとりなどお願いすることとなってしまいました。それでも文句一つ言わず引き受け、英会話も継続して頑張ってこなしてくれました。おかげで次女も家のこと学校のこと構わずママに思いっきりわがままを言うことができたのだと思います。いつもサポートしてくれて本当にありがとう。

長女はこれまで書いてきた通り、もともとドイツには絶対行かないと言い張っていたくらい、マイナスからのスタートでした。もしかしたら今でも、日本に残ってればもっと楽しく充実した3年間があったはずだと思っているかもしれません。それでも持ち前の明るさと優しさで、学校ではみんなに好かれ、大切な友達を何人も作ってるのをみて、本当に嬉しく、頼もしく思えました。家ではどんなにワガママでも、外では先生や友達はもちろん、電車で乗り合わせたご老人にも気を配ることができる。僕の自慢の娘です。素敵な3年間を本当にありがとう。

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ドイツ出国 72時間前 PCR検査/ 陰性証明

日本入国にはコロナの陰性証明が必要なため、出国3日前に空港にPCRテストを受けに行きました。長女の高校受験のために同じく妻と長女の二人が一時帰国した正月明けに続いて2日目です。実は最近僕の体調が芳しくなかったこともあり、まさかコロナじゃないよなぁと、若干心配ではありましたが、二人とも無事陰性結果が出てホッと胸を撫でおろしました。
今は長女が普通に卒業式を行い、帰国でき、入学式に参加して、高校生活が始まる。そんな普通の日が送れることだけを望んでいます。

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ドイツから荷物の運び出し

出国2日前は荷物の運び出しに追われました。次女と僕はしばらく残るため、一部の荷物は残していきますし、家具は大家さんから借りているものなので残すのですが、娘の部屋と台所はだいぶガランとしてしまいました。危うく僕の服も荷造りされてしまうところで、指示と確認には気が抜けませんでしたね・・・。

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ドイツでの家族最後の晩御飯

ロックダウン中なので最後に家族でレストランに行くことは叶いませんでしたが、出国前々日には以前行って美味しかった近所のギリシャ料理のデリバリーを、前日はイタリアンでパスタのデリバリーをとりました。どちらもとても美味しく、そして楽しく戴くことができました。その後、妻はいつものようにキッチンで後片付けをしてくれ、娘二人はSnowで大笑いしながら遊んでいるのを横目に、僕は、久しぶりにソファーでギターを弾いたのですが「もうこの部屋で家族が揃うことはないんだなぁ」と思うと、涙が溢れてきました😢

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ミュンヘン空港へのお見送り

当日は朝8時ミュンヘン空港発の便だったため、朝5時半にアパートを出ることになりました。一時帰国と同じく前夜に降り積もった雪の中ので出発でした。次女もスクールバスに遅れるといけないので、学校にいく用意と格好をして車に乗り込みます。

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空港ではコロナテストセンターで日本政府が要請するフォーマットでの陰性証明を受け取り、荷物をチェックイン。時間もなかったので、早々にセキュリティチェックに向かい、2人には3年間の感謝を伝えてすぐ別れることとなりました。

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次女のスクールバスに間に合うかかなり怪しくなってきました。カーナビの到着予想時間を気にしながら帰路を急ぐのですが、ミュンヘンの中心に向かう道が混んできてしまいました。今度は、スクールバスアプリでバスの居場所を確認しながら車を走らせます。結局10分弱遅れてしまったのですが、スクールバスドライバーのおじさんが待っていてくれて何とか次女はバスに乗り込むことができたのでした。次の乗り場で待っていたご家族に大変悪いことをしてしまいました😖

 

さて、ここまでは二人の帰国準備やら、次女の学校の準備やらでやること満載だったため、気が張っていたのでしょうか。次女をスクールバスに乗せて、ホッと一息つき、そして誰もいないガランとした部屋に入った瞬間、一気に涙が溢れてきてしまいました。久しぶりに大泣きしました、顔がくしゃくしゃになるくらい思いっきり。渡独前からの困難を乗り越えて実現した家族4人での海外赴任。その3年間の挑戦がいま終わってしまったんだなーって思って、この3年間の家族での出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡りました。

 

残される身は嫌なものだとわかりました。これまでは、僕が先に現地に入り「家族がきたらここに連れて行こう」「家族とこれをやってみよう」と楽しみに思うことばかりだったのですが、今はどこに行っても「もうここは家族では来れないんだなー」と思ってしまいます。僕も早く帰国したい気持ちになってしまいますが、この思いを吹き飛ばすべく、将来家族で旅行に来るぞーとカラ元気を出して頑張ることにしたいと思います✌️

家族の絆が深まった素敵な3年間を彩ってくれた美しい街・ミュンヘンに心から感謝です。

ドイツ・ロックダウン継続の中、日本人学校・中学部 卒業式 / 保護者はオンライン参加 + α

昨日、長女が通う日本人学校・中学部の卒業式が催されました。実は先週までどういう形態で開催できるかわからずバイエルン州政府の判断待ちだったのですが、最終的には中3生には同学年で開催しても良いという許可がおりました。保護者や在校生の現地参加は認められませんでしたが、先生方と卒業生だけででも式典を行えただけでも本当に良かったかなと思います。小6生はその許可すらおりず、校長室で一人ずつ卒業証書を手渡されるだけでしたから😢

 

小6生が卒業式を行えなかった背景

これまで学校が再開したとお伝えしてきましたが、正確には、バイエルン州政府が発表しているのは「基礎学校(Grundshule)の1年生から4年生、および最終学年の生徒の授業再開」であり、いわゆる現地教育システムにおける小学校は通学許可、それ以上の学校は最終学年のみ通学許可、ということになります。

現地教育システムから外れる日本人学校やインターナショナルスクールは州政府による個別判断。日本人学校は小1〜4と中3に通学許可、インターはシティキャンパスの小1〜5に通学許可、郊外キャンパスの小6〜高校生には中3以上に通学許可、とかなりややこしい状況でしたが、幸い我が家は2人とも通学できていたのでした。

それだけに日本人学校小6生の保護者からすると、なぜ小6は最終学年にカウントしてくれないの、卒業式を開催させてくれないの、と思うわけです。実は保護者が署名を募り、州政府に嘆願書も出していたのですが、式を催すことの願いが叶いませんでした。僕も同じ状況なら同じことをしていたでしょう。

 

中3生保護者はオンラインで卒業式に参加(視聴)

我々中3生の保護者はオンラインでの卒業式参加(視聴)になりました。今となっては学校側も慣れたもので、カメラを4台設置して、基本的には事務局がシーンに応じてzoom画面を切り替えてくれます。zoom参加者の我々保護者は好きな角度からのカメラで見ることができるので、大事な娘のシーンも逃さずカメラで追うことができました。

声を出して歌も歌えず、在校生との掛け合いもなく、少し物足りなさはあり、残念ではありましたが、それでも一緒に過ごしてきた仲間と区切りの式典を行えたことは気持ちの整理にも繋がることでしょう。

 

卒業式後の写真撮影会

さて、中3保護者はオンラインでの卒業式参加を終えると、ほぼ全員が学校に向かいました。我が家も車で30分弱、学校に向かいます。学校の中には入れませんが、校門などのオープンスペースで写真撮影📱です。

不思議なもので、式典参加できないにも関わらず、ほとんどの親御さんは正装で来ていました。男性でスーツを来ていなかったのは僕くらいでしょうか。最終的に襟付きシャツにしましたが、危うくフーディーで行くところでした・・・😓

結局、1時間程度、子供達の晴れ姿をみんなでワイワイ写真におさめたり、親御さんたちと帰国・残留のご挨拶をしたりと、僕らも卒業式の別れの雰囲気を味わうことができました。

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あれから3年間

ドイツ赴任が決まる前からこの学校を視察して、研究して、海外にくる長女の不安を少しでも和らげようと準備して挑んだ家族会議で、結局長女に大泣き&大反対されてから早いもので3年が過ぎました(下記記事ご参照)。

skygo.hatenablog.com

 

卒業式・写真撮影会の後、荷物を僕らに預け「最後に友達と市内で遊んで来る〜」と楽しそうに友達と去る長女の姿を感慨深く見送りました。お目当のタピオカ屋さん🥤は開いていたようで、ご機嫌に帰って来ました。

(妻と長女の本帰国まであと5