空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

Drucker Day ~失われた授業~

f:id:goakashi:20200820214138p:plain

 今日はドラッカースクール関係者が一同に集まるDrucker dayの催しに参加してきた。教授陣、卒業生、現役生、受験生など総勢400人ほどが集まったようで、朝から夕方まで賑わうドラッカースクールの雰囲気を楽しんできた。

一番印象的だったのは、午後聴講したショートクラスだった。講演者は1979年に卒業されたCohen氏で、この秋に発刊した著書「A Class With Drucker: The Lost Lessons of the World's Greatest Management Teacher」に沿って、彼が実際に経験したドラッカーの教え、人柄、授業の雰囲気、そして彼自身がどう変わったか、を紹介してくれた。 彼がクラスの最初に言った。「編集者の方に『もう少しドラッカーが若かった頃の写真を表紙に使ってはどうでしょう』と言われたが、私は『この写真の顔が、僕らに教えてくれていた時の顔なんだよ』と断ったんだ。」それを聞いて、私は彼をとてもうらやましく思った。というのも、ドラッカーは私が受験中に他界され、私には彼に会う機会はもう無いからであった。(ちなみに2005年の今日がドラッカーの命日)

このショートクラスには総勢50名ほどが参加していたが、見渡すと現役生は私を含めて3,4人しかいなかった。他は卒業生や教授であり、Cohen氏が語る当時のドラッカー話に耳を傾け、懐かしそうに微笑み、「自分のとき彼はこうだったよ」とも言い、皆楽しそうに過ごしていた。私たち現役生は、ドラッカーが言っていたジョークを物まね付で紹介されたときなどには笑えたりもしたが、その当時のドラッカーの笑顔や声、クラスの雰囲気を想像することはできなかった。

今後どうドラッカーのレガシーを引き継ぐことができるかという議論で、ある卒業生が「教授陣がその教えを引き継ごうと努力している」とコメントしていたが、Cohen氏は次のように答えた。「実際に彼のクラスをFace-to-faceで受けるのとはやはり異なるよ。残念ながら徐々に変わっていかざるを得ない。だから僕はこの本を書いたんだ。でも変わっていくべきでもあるんだよね。」 この本は今日の参加者全員に無料配布され、私の手元にもある(ついでにいうとCohen氏のサインももらってきた✌️)。 今全部読みきる体力は無いが、2章の「Drucker in the classroom」や関連する箇所だけでも読んでみようかと思う。「失われた授業」とはどのようなものだったのか。文章を通じてでも、当時のドラッカーの威厳や雰囲気を少しでも感じれることを期待して。

#以下、ドラッカー便り掲載版

11/10にドラッカースクール関係者が一同に集まるDrucker dayの催しに参加してきました。教授陣、卒業生、現役生、受験生など総勢400人ほどが集まったようで、朝から夕方まで賑わうドラッカースクールの雰囲気に感じ入ってきました。 一番印象的だったのは、午後聴講したショートクラスでした。講演者は1979年に卒業されたCohen氏で、この秋に発刊した著書「A Class With Drucker: The Lost Lessons of the World's Greatest Management Teacher」に沿って、彼が実際に経験したドラッカーの教え、人柄、授業の雰囲気、そして彼自身がどう変わったか、を紹介してくれたのでした。

彼がクラスの最初に微笑みながら言いました。「編集者の方に、もう少しドラッカーが若かった頃の写真を表紙に使うよう薦められたが、私は断ったんだ。だって、この写真の顔が、僕らに教えてくれていた時の顔なんだよ。」と。私は一つの当たり前のことに気づきました。「彼の中には彼らの世代のドラッカーがいるんだな・・・」 このクラスに参加していた総勢50名は、ほとんどが卒業生や教授であり、Cohen氏が語る当時のドラッカー話に耳を傾け、懐かしそうに微笑み、「自分のとき彼はこうだったよ」とも発言し、皆楽しそうに時を過ごしていました。私を含めた2,3人の現役生は、ドラッカーが言っていたジョークを物まね付で紹介されたときなどには笑えたのですが、その当時のドラッカーの笑顔や声、クラスの雰囲気を想像することはできなかったのです。

先輩方みなさんそれぞれ、私の時ドラッカーはこうだった、と言えるのではないでしょうか。そのことをとてもうらやましく思います。私たちの一つ上の代からは、彼とは本やビデオ、PCでしか会うことが出来ません。Cohen氏も言っていましたが、Face-to-faceでしか感じれない彼も存在した、とは本当でしょう。この日はその事実を突きつけられ、とてつもない寂しさを実感した日でした。そう、我々はドラッカースクール生なのにドラッカーに会えない世代なのです。 今日の参加者に配布されたCohen氏の本(上述)に「Drucker in the classroom」という章があります。当時のドラッカーの威厳や雰囲気、つまりは「The lost Lessons」とはどのようなものだったのか、を少しでも感じ取れることを期待して、冬休みに読みいってみようと思います。

A Class with Drucker: The Lost Lessons of the World's Greatest Management Teacher