空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

空を行こう 〜 ミュンヘン駐在編 〜

海外生活2カ国6年目。いろんな国を訪問し、いろんな経験をして、いろんな人と出会いたい。そんな想いを募らせるうち、いつの間にかここに至りました。本ブログでは、米MBA留学及びその後の海外経験を中心に記載しています。

清々しい気持ちで春休みに突入

 今日で最終学期前半が終了。最後を飾ったのは、リバイタリゼーションクラスのゲストスピーカー・FinleyさんFramework Partners Inc.の創業者の一人)。彼女は、2002年にカルガリー・フィルハーモニー管弦楽団(Calgary Philharmonic Orchestra)を倒産の危機から救い、その後の持続的成長を実現した張本人。外部コンサルタントとして、その再建プラン作成にたった6週間しか猶予が与えられなかったのだが、その驚異的偉業達成時の話を本人から聴くことができた。

彼女は何も、誰もが驚く手法でソリューションを発見・提案した訳ではなく、むしろ基本に忠実に事を為したように感じる。外部調達による再建チームを立ち上げ、マーケット・競合・組織内を徹底調査し、そして憶測を排除した事実のみを元に財務危機の真の原因(Root Causes)を探る。それを叩き潰すプランをシンプルに表現し、バランススコアカードを元に4つの視点(財務・顧客・業務プロセス・学習と成長)で精緻な目標・実行計画に落とす、といった具合である。

ではポイントは何であったのだろうか。彼女も指摘するように、再建チームが外部メンバーによって構成されたことは大きなポイントだろう。メンバーの信奉・行動・コミュニケーションといった組織文化的な問題解決や、慣習的なコスト構造へのてこ入れ、ボードメンバーの入れ換えなどは、外部メンバーであったからこそ、彼女らの信念をもとに提案・改善していけたことが挙げられる。

もう一つのポイントは、本当に危機的状況だったということであろう。トップから現場まで、これまでの信奉・行動に疑問を持たざるを得ず、変化を余儀なくされたことが上記プランを確実に実行できた要因ということだ。 他にも幾つかあるが、他のポイントとしては、(彼女はもちろん言わなかったが)彼女自身の持つ、組織再生への信念や秀でた能力がこの組織を推し進めたことも容易に想像できる。たった6週間であのプランを作成し組織トップを突き動かすまでに至ったこともそうだが、今日のクラスでのプレゼンや議論のリードを目の当たりにすると、確固たる信念とクレバーさ以外の何も感じない。ヒラリー・クリントンカーリー・フィオリーナを思わせる彼女のはっきりして且つ滑らかな口調は、私だけでなくクラスの参加者全てを魅了し引き込んでいたと思う。

なんだか清々しい気持ちでスプリングブレイクを迎えることができた気がするなぁ。サテイ教授のこの企画に感謝👏

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