【書評】人を動かす
読んだことがある人も多いと思いますが、世界的ロングセラー「人を動かす」が家に転がっていたので読んでみました。昔、妻が会社でもらったのだそうです。正直、最初目次を見たときは、当たり前のことばかり書いてありそうで、時間をかけるのはどうかなぁと思いました。というのも、「心からほめる」「聞き手に回る」「人の立場に身を置く」「おだやかに話す」「誤りを認める」など、自己啓発本などではよく聞くことで、誰もがそれなりには気をつけていることだからです。 しかし実際に読んでみると、それぞれに事例が山ほど盛り込まれており、「確かに僕がこういう風に考え言動・行動すれば、相手の人はそう思いそう反応するだろうな」と思わせてくれます。友人、妻、子ども、親、兄弟、上司、同僚、後輩、そして仕事相手にいたるまで、僕に関わる全ての人に対する僕自身の行動は、今この本のおかげで見直され始めています。これまでもそれなりに上手くいっていたつもりでしたが、この改善できっと更にいい方向に転がる気がしています(超楽観主義?汗)。またタイミングをみて定期的に読み返すべき本だとも強く感じました。
P51 人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。
P52 人を動かす最善の法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせることである。
P202:太陽と北風の寓話 「やさしい親切なやり方は、どんな場合でも、激しい力ずくのやり方より、はるかに効果のあるものだ」
P218:フランスの哲学者ラ・ロシュフーコーの言葉 「敵をつくりたければ友に勝つがいい。味方をつくりたければ、友に勝たせるのがいい。」
P228:2500年前の中国・老子の言葉 「河や海が数知れぬ渓流のそそぐところとなるのは、身を低きに置くからである。そのゆえに、河や海はもろもろの渓流に君臨することができる。同様に、賢者は、人の上に立たんと欲すれば、人の下に身を置き、人の前に立たんと欲すれば、人のうしろに身を置く。かくして、賢者は人の上に立てども、人はその重みを感じることなく、人の前に立てども、人の心は傷つくことがない。」
P261 仕事には競争心が大切である。あくどい金儲けの競争ではなく、他人よりも優れたいという競争心を利用すべきである。
P294:原則「顔をたてる」にて。 相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪に陥らせるようなことを言ったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ。
P303 相手をある点について矯正したいと思えば、(中略)彼がその美点を備えていることにして、公然とそのように扱ってやるが良い。良い評判を立ててやると、その人間はあなたの期待を裏切らないようにつとめるだろう。